?観光入込に対する地元の対処方策
?日本人観光客の実態
?地元関係者の受けとめ方
?タイムズ紙記事の真偽とその背景
?記事が及ぼした影響
3. ヒルトップ及び周辺のナショナル・トラスト所有地の概要
(1)位置
湖水地方を代表する観光地であるヒルトップは、ウィンダミア湖の西の畔のニアソーリー村にある農場である。湖水地方は、ロンドンとエジンバラを結ぶルート上に位置する(図−2)。
図−2 湖水地方の位置
なお「湖水地方」とは、イングランドの一地域であるカンブリア地方の、多くの湖を抱える一帯の通称である。本論文では、統計資料においてはデータに準拠して「カンブリア地方」を用い、観光地の名称としては「湖水地方」を用いることとする。
(2)ビアトリクス・ポターとナショナル・トラスト
ヒルトップは、英国の女性作家ビアトリクス・ポターが1905年に購入した農場である。それまでロンドンで執筆活動を行っていたビアトリクスは、頻繁にここを訪れるようになり、その後発行した絵本には、ヒルトップを舞台にした絵が多数挿入されている。
農場購入によって、ビアトリクスは農業と自然保護、地域保存に深い関心を持つようになった。そしてナショナル・トラストの設立者の一人Cnon Hardwicke Rawnsley氏と親しくなったことをきっかけに、1930年にはナショナル・トラストに加入し、以来寄付を続け、彼女が湖水地方で購入した土地及び施設の殆どは晩年から没後にかけて、ナショナル・トラストに寄贈されている(表−2)。
表−2:ナショナル・トラストが所有する湖水地方の施設・土地
出典:文献2,6〜8をもとに作成
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